IELTSにはアカデミックとジェネラルの2つの種類があり、どちらの試験を受けるかは目的によって異なります。例えば、留学に必要なIELTSはアカデミック、海外移住・永住権申請にはジェネラルが必要です。試験内容のいずれもリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングで構成されています。そのうち、リスニングとスピーキングは共通の問題になりますが、リーディングとライティング
はそれぞれのモジュールで出題内容が異なります。
※IELTS for UKVI(英国ビザ申請用IELTS)とは英国ビザ申請用のために英語能力を証明するものです。IELTS for UKVIには2つ種類があります。
IELTS for UKVI Academic・・・IELTSのアカデミックモジュールと内容は変わりません。
IELTS for UKVI General・・・IELTSのジェネラルモジュールと内容は変わりません。
IELTSアカデミックモジュールは、カナダやイギリスなどの英語圏のカレッジ、大学や大学院への留学を目的としている方が必要となります。各大学の必要な英語のレベルに達しているか評価する際に用いられるテストです。アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの大学では、アカデミックのスコアの提出がないと入学が許可されません。カナダ、アメリカの大学ではIELTSかTOEFL、どちらの試験のスコアを提出するか選ぶことができます。
ELTS(アイエルツ:International English Language Testing System)は大学やカレッジに進学希望の学生を対象とした語学力テストで、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドではTOEFL®テストよりも重視されています。 また、留学先の選考上、派遣希望者の国籍によってはビザ(査証)取得のために、IELTSの受験が義務づけられている場合もあります。
IELTS(International English Language Testing System:アイエルツ)は、英語が飛び交う環境で授業を理解したり仕事や生活をしていくための英語力を測るために考案された試験です。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能がおよそ3時間の試験で測定されます。この試験は、海外への留学や就職、移住などの際に英語力を証明するための試験として、世界140カ国・10000以上の機関で採用されており、世界で年間300万人も受験しています。
この試験の特徴としては、学術的な用途で用いる英語と一般的な生活を送る際の英語の2つを、2種類のテストタイプのうちから1種類を選ぶことで測定できるということが挙げられます。受験者の留学先の大学・大学院の授業を受講できるレベルかどうかを測る際は「アカデミック・モジュール」を、移住先での生活に困らない英語運用能力を受験者が持っているかを判断する場合は「ジェネラル・トレーニング・モジュール」を選択します。中学生・高校生の場合はアカデミック・モジュールを受験する場合がほとんどですので、ここからはIELTSのアカデミック・モジュールに絞ってお話しします。
IELTSの各スコアの想定レベルはどれぐらい?
IELTSの基本情報を抑えたところで、ここからはIELTSでの英語運用能力の評価方法について取り上げていきたいと思います。
IELTSの結果は合格・不合格という判断はなく、1.0から0.5刻みに9.0まであるバンドスコアで表されます。この点はTOEICに似ていますね。このバンドスコアは、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの各パートごとに表されます。また、総合評価として「オーバオール・バンド・スコア」が与えられます。
各バンドスコアの解釈は以下の通りです。
この解釈だけでは各バンドスコアのレベル感がいまいち掴めないという方も多いはず。そこでここからは、言語能力の基準としてよく用いられるCEFRを使いながら、日本の中学校・高校では馴染み深い英検と比較して、各バンドスコアを見ていこうと思います。
まずCEFRについて少し説明しましょう。CEFR(Common European Framework of Reference for Languages:セファール)とは言語運用能力を説明する枠組みのことで、どんな言語にも適用することができるものです。A1、A2、B1、B2、C1、C2の6つに分けられ、A1からC2にかけて言語運用能力の熟練度が高くなっていきます。
日本の大学受験では一般的に英検2級以上の取得が奨励されていますが、英検2級はCEFRで言うとB1にあたり、以下のようなレベルだとされています。
・仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。
・その言葉が話されている地域にいる時位に起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。
・身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。
(文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」より)
CEFRにおける B1は、IELTSでいうとおおよそ4.0から5.0とされています。そして、日本の大学受験で加点対象になることの多い準1級はCEFRで表すとB2で、これはIELTSでいうところのおおよそ5.5から6.5と言われています。
ちなみに海外留学におけるIELTSの基準は受け入れ機関によって異なりますが、一般的にオーバーオール・バンド・スコア6.0から6.5を基準とする場合が多いです。中には7.0を基準とする教育機関もあり、日本の大学入試の基準よりもさらに高いと言えるでしょう。
また、受け入れ機関によってはオーバーオール・バンド・スコアだけでなく、各技能のバンドスコアにも基準を設けているところもあります。この場合、極端に苦手な技能のスコアを得意な技能のスコアで補い、オーバーオール・バンド・スコアを満たすという方法が効かないため、注意が必要です。
中学生・高校生にとってIELTSを受験するメリットは?
さて、IELTSの各バンドスコアのレベル感について見ていきましたが、中学生や高校生がIELTSを受験するメリットについて見ていこうと思います。
まずIELTSの大きなメリットの1つとして、大学受験と留学の両方に有効なテストであるということが挙げられます。日本の中学校・高校で広く受験が奨励されている英検は、日本国内の大学受験においては結果の活用が進んでいます。しかし、日本の大学に留学後、海外へ留学したいと考えた際には、取得済みの英検の結果では自らの英語運用能力の証明になりません。TOEICも日本では広く受験が進んでいますが、TOEICの試験内容はビジネスシーンに寄っており、日本の大学受験や海外留学の際にスコアを受け入れてもらえないことが多くあります。
この点、IELTSは大学受験も海外留学も広く対応できる試験であり、中学生や高校生が早いうちから受験することで、大学受験だけでなくその後の海外留学を視野に準備を進めることができます。IELTSの結果は2年間有効なので、タイミングが合えば大学入試で使用したものを海外留学への応募の際に流用することも可能です。
また、IELTSは年間の試験日が多く、結果発表も早いため、大学入試や海外留学の準備を進める上で、学生に優しいテストの1つです。年間の試験実施予定日は36日以上あり、これは英検やTOEICよりも多い日数です。結果発表については、筆記試験から13日目にはオンラインで結果を確認することができますが、これはTOEICよりも早く、英検とも同じぐらいかそれより少し早い日数です。
ここまで 英検やTOEICと比較したIELTSの優位性を述べてきましたが、IELTSと同じぐらい耳にするTOEFLとはどう違うのか、気になった方も多いはず。大学受験と海外留学との併用が可能である点はTOEFLも同じですし、試験日の多さや結果発表の速さも同程度です。ちなみに、受験料の高さも大体同じぐらいで、英検やTOEICより高い受験料(IELTS:25380円、TOEFL:245USドル)です。
日本だとTOEICが特に就職活動時には重要ですが、留学の場合はTOEFLかIELTSが必要な場合がほとんど。自分の感覚としては最近はIELTSが主流な気がします。
TOEFLは昔からあり、昔はPBTといって紙の試験でしたが、最近はIBTというインターネット上で受ける試験(とはいうものの試験会場までいく必要はあり)になっていると思います。なのでTOEFLのスピーキングテストはパソコンに向かってしゃべる形式。
スカイプをする時のようにヘッドセットをつけた記憶がありますが、人と会話する感じではありません。流れてくる質問に対して一方的に答えを録音していくという感じだったと思います。(ちなみに私はキャピラノ大学に入学する前にTOEFLを受けました!)
かたやIELTSは全て紙の試験でスピーキングは面接官との1対1面接です。なのでTOEFLのスピーキングテストはパソコンに向かってしゃべる形式。
TOEICはリスニングとリーディングのみ。自分で発信する能力(スピーキング、ライティング)は問われないということですね。
IELTSの大変なところは、ライティングも紙上で書くところ。書き直しがききません。文章をじゃんじゃん書いてあとで校正ということができないわけです。あとは選択方式でないため、スペルや冠詞、複数形などをミスると点数を落としてしまうところも怖かったです。
永住権申請の場合はCELPIPというテストを受けてもOKですが、CELPIPとは何ぞや?というところから私は勉強しなければいけなかったのと(笑)、IELTSの方が教材や情報などが多かったので、IELTSにしました。
IELTSはどんなテスト内容なの?
スピーキングとリスニングの問題はアカデミックとジェネラル共通で、ライティングとリーディングは問題が異なります。基本的にジェネラルの方が日常生活にそった問題となるため、易しいと言われています。
スピーキングは面接官との1対1面接。会話形式で10〜15分ほどの試験。自分の意見を述べたり、1〜2分のスピーチもあります。
その他3セクションは試験開始からぶっ通しで3時間ほど休憩無しで行われます。
リスニングは電話での会話を聞いてメモを取るという形式の穴埋め問題や、会話やレクチャーを聞いての内容理解に関する問題などが多いです。
リーディングはちょっとした長文を読んで問題に答えたりしますが、だいたいその長文の中に答えが書いてあるので、引っ掛け問題とかややこしい問題はあまりない印象。
ライティングは大学でのエッセイを思い出させる内容。スペリング、文法、語彙力なども評価の対象になりますが、どう自分の意見を説得力ある流れでまとめるかといういわゆる文章構成も重要みたいです。
永住権をとるためにIELTSはいくらあればいいの?
これは一概にはおそらくいえなくて、高ければ高い程いいです。(笑)永住権の申請には様々なカテゴリーがあり、どのカテゴリーで申請するかによって色々判断基準が違うのですが、年齢、学歴、職種、職歴、英語力などが点数化され、総合的に判断されるため、英語力は高ければ高い方がいいというわけです。
IELTSの勉強法は?
私はとりあえず自分が何点くらい取れるかがわからなかったこともあり、点数があまりに足りなかったらまた受けようという気持ちで受けたため、点数をあげるために特別な勉強をしたというよりは、自分の英語力で最大限に点数を取れるよう、実践問題を数こなしました。
IELTSの模擬問題本を1冊やってみたのと、あとはオンライン上の模擬問題をひたすら解いて、傾向をつかんでいました。
リーディングは何個か解いてみた限り、勉強しなくていいかもと思ったので、リスニング、スピーキング、ライティングに集中。
リスニングは問題を数解くのみ、スピーキングも過去の出題問題を読んで自分で回答をぶつぶつつぶやいて練習していました。
ライティングは2、3回書きましたが、あとは文章のまとめ方の勉強、アウトライン作成などの練習をしていました。
本番は練習の甲斐あって(?)、そこまで予想からはずれず、予想通りの内容と手応えでした。
スピーキングは1〜2分のスピーチ問題でかなり時間が余ってしまったので、もっとストップウォッチを使って練習すればよかったなと思いました。
受けた感想ですが、これは模擬試験の時点でも感じていたのですが、昔カナダに来る前に受けた英語の試験は難しいなーと思っていたのですが、今回のテストは全てのセクションにおいて、難しすぎると感じたところはありませんでした。
単語もほぼ知っている単語だし、リスニングも早すぎて聞き取れないということはなかったし、あとは試験に慣れれば点数も伸びるかな?といった感じ。
この感覚に関しては、半年間のEAPプログラムと2年間の大学生活のおかげだなということを強く思いました。自分では英語力がカナダに来る前かたあまり伸びていないと思っていたのですが、こういったテストを受けてみて上達を感じることができたので嬉しい!
かなり似ているテストと言えますが、最大の違いはテストの実施方式です。TOEFLで一般的なiBTテストは、4技能を全てコンピュータ上で受験するテストです。日本の中学生や高校生にとっては、実際の人間ではなくコンピュータの画面に向かって、マイクを通じてスピーキングの試験を受けたり、タイピングでライティングの試験をこなしたりするのはあまり慣れない行為なのではないでしょうか。一方、IELTSは紙と鉛筆で実施するテストで、スピーキングの試験も1対1の面接試験であり、英検慣れした中学生・高校生にとって心理的負担の少ないテスト方式だと言えます。
IELTSは大学受験と海外大への交換留学を希望する生徒におすすめのテスト
IELTSの特徴について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。IELTSは英検などに比べて受験料が高いものの、大学受験のその先の海外留学にも活用できる試験で、TOEFLよりも受験時の心理的ハードルが低いテストです。
日本の大学受験を主目的に据えるならば、まずは出願基準としてよく設定される4.0から5.0を目指し、その後、加点対象になりやすい5.5以上を目指して勉強するのがいいでしょう。
あのくらいのライティングで「6」がとれて、あのなんとかしゃべったというスピーキングが「5」というのは、自分的にはすごくよい点数という感じが少しして、最初のトライで平均でも「6.0」というのは、上出来だな…という、けっこうやったねという思い。
「6.5」にするためには、スピーキングをがんばるのと、リーディング、リスニングをもうちょっとできるようにすれば、なんとかなりそうだ…という、いけるかなという感触。
いや、これから日本に戻るのに、スピーキングが上達するのか?どのくらい上達したら点数があがるのだろうか…という不安感。
ここまでできていたのなら、あともう少しできていれば「6.5」まで行けたのではないか…という、くやしいような感じ。
ま、いずれにしても、これが今の実力なのだということなのですけどね。
次の試験は、3ヶ月以降経たないと受けられません。なので、次の試験で「6.5」突破を目指してがんばりたいと思います。
海外大学への進学や交換留学を主目的に置くならば、6.0から7.0を目指すことが必要です。
このように考えると、特に、日本の大学へ入学した後に海外の大学へ交換留学したいという人にとって、IELTSを早いうちから受けておくことは良いことなのではないでしょうか。IELTS対策ならJamesオンライン
試験内容はライティング60分、リーディング60分、リスニング40分、スピーキング11~14分の4つのセクションからなり、 ライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの各パートごとの英語力がバンドスコアで示されるほかに、総合評価としてオーバーオールバンドスコアが与えられます。 イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの高等教育機関への入学許可を受けるには通常6.0~6.5のグレードが必要となります。受験料は25,380円(税込)です。 結果は受験日から13日目に発行され、受験者へ郵送されます。テスト結果の有効期限は2年間です。(2017年6月現在)
「コンピューターで受験するIELTS (CD IELTS)」について
2020年9月より、コンピューターで受験するComputer-delivered IELTS (CD IELTS)の実施が始まります。CD IELTSは、従来の紙と鉛筆で受験いただくIELTSと内容・採点基準・試験時間、検定料は変わりありませんが、ライティングとリーディング、リスニングの各セクションでコンピューターに入力いただく点が解答用紙に記述する従来のIELTSとは異なります。スピーキングは従来のIELTSと同様1対1の対面式で実施されます。成績結果は受験後3~5日にウェブにて公開され、その後随時郵送されます。受験料は通常IELTSと同じ25,380円で国内唯一同額となります。
他の大学でも、ほとんどの場合はIELTSかTOEFL、どちらかを選べます。
試験の流れはコンピュータテストとペーパーテストで異なります。
リスニング ➡ リーディング ➡ ライティング ➡ スピーキング